「あんたらのクソみたいなメールリストから私を外せ(Get Me Off Your Fucking Mailing List)」
これは、実在の科学ジャーナル『International Journal of Advanced Computer Technology』に受理された論文のタイトルである。その内容も驚くべきもので、10ページにわたり、「Get Me Off Your Fucking Mailing List」という文が、図も利用しながら、ひたすら繰り返されている。
なぜこんな論文が書かれたのだろうか?そしてなぜ、こんな論文がジャーナルに受理されるに至ったのだろうか?
実は、この論文が投稿された『International Journal of Advanced Computer Technology』は、名目上は科学ジャーナルであるが、実態はいわゆるハゲタカジャーナルと呼ばれる、掲載料目当てでろくな査読もせず論文を載せる類のものである。
ハゲタカジャーナルは、その特徴の一つとして、研究者にメールで執拗な勧誘を行うことで知られる。問題の論文を投稿した研究者らも、当ジャーナルからのメールへの皮肉を込めた返答として原稿を投稿したのだった。
しかし驚くべきことに、後日ジャーナルから「excellent」とという評価とともに、掲載を認めるメールが返ってきた。
こうしてジャーナルは、まともな査読どころか、投稿論文にろくに目を通すことすらしていないことを自ら明らかにしたのであった。
結局、著者らはジャーナルから要求される掲載料150ドルを支払わなかったため、論文が掲載されることはなかったが、その原稿はハゲタカジャーナルのひどさをきわめて明確な形で示す役割を果たしたものとして、人々に注目されることとなった。
参考
- https://www.vox.com/2014/11/21/7259207/scientific-paper-scam
- https://gizmodo.com/sham-journal-accepts-totally-absurd-but-completely-appr-1661329028
- https://www.mic.com/articles/104870/this-insane-science-article-exposes-a-major-problem-in-the-science-world
- https://www.buzzfeednews.com/article/rachelzarrell/a-paper-called-get-me-off-your-fcking-mailing-list-was-accep
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