【環境・認知】『なぜ気候変動懐疑論者には、右翼的保守主義者が多いのか』

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なぜ気候変動懐疑論者には、右翼的保守主義者が多いのか?

学術研究者によるメディアサイトThe Conversationは、2019年9月19日付けの記事でこの疑問を分析している。

人為的な気候変動が進行していることについて科学的に疑いの余地はないが、カナダでの最近の調査結果では、リベラルな有権者は80%以上がそれを事実だと信じていると答えた一方で、同様の回答をした保守主義者はたったの35%であった。

米国でも、2007年に行われた調査で、地球温暖化に堅固な証拠があることを認識している割合は、民主党支持者で92%であったのに対し、共和党支持者では52%と、大きな開きがあった。

以前の研究で、気候変動に関する無知や、危機感の欠如などが気候変動の懐疑に関連していることが示されているが、記事の著者らはそれだけでは十分でないという。

彼らが原因として考えるのは、これまで幾度も指摘されてきたことであるが、人々がすでに抱いている信念に反する事実を受け入れようとしない心理的性質である。

彼らが研究で見出したことの一つは、地表温度の推移を示す以下の図を提示したとき、リベラルであるほど、フラットなフェーズ(1940年から1980年)より上昇フェーズ(1990年から2013年)に注意を向けることだ。

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また、それぞれのフェーズに色付けをして注意を惹いた後、被験者が気候変動に関する署名や寄付にサインするかどうかを見たところ、リベラルな人々は上昇フェーズに色付けした場合、より積極的にサインをする一方で、保守主義者は、フラットなフェーズより上昇フェーズに色付けした場合の方が、サインをする割合が下がった。

つまり人々は、自分の信念に反する意見を提示されると、それが事実か否かに関わらず、素直に従わない傾向にあるという性質が、気候変動のそのものの否定や、気候変動対策の取り組みへの消極性の要因にもなっている可能性が示された。

著者らは、気候変動を信じたくない保守的な信念を抱いている人たちを説得するには、単に科学的根拠を提示だけでは十分ではなく、彼らの信念を考慮したアプローチが必要だろうと締めくくっている。

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