【物理】『熱力学第三法則が、冷却の速さの上限の発見により証明される』IFLScience 2017/3/14

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熱力学第三法則は、実現可能な最も低い温度である絶対零度の定義に関係するものだ。この概念はよく知られているが、それにまつわる激しい論争が学術論文を介して行われている。エントロピーがゼロにならない場合、有限のステップで温度が絶対零度に達することは可能だろうか?

Nature Communicationsに掲載された新しい論文は、量子力学の原理を用いてこの議論を明確にすることを目標としている。 University College Londonの研究者は、到達不能性原理(unattainability principle)、すなわち有限のステップ数で系を絶対零度にすることが不可能であることを調べ、絶対零度に達することを妨げる冷却速さの限界を定義することが可能であることを発見した。

2人の著者のうちの1人であるLluis Masanes博士はIFLScienceに「系を有限のリソースで絶対零度まで冷却することは実際にできないことを示し、さらに一歩先まで行きました。我々は有限時間内に系を絶対零度に冷却することは不可能であると結論し、時間と可能な限り低い温度との間の関係を確立しました。それが、冷却の速さです」と語った。

冷却速度は(光速のように)普遍的ではなく、環境内の音速や、エネルギーの注入速度にも依存する。

この解決は、量子情報の世界から来る。この研究の主な洞察は、冷却プロセスが計算と見なせるということである。より冷たい系はより低いエネルギーを有し、可能な配位パターンが少ない。したがって、高いエネルギーを持つ系では、より多数の配位に編成できる。これらの粒子がどのような状態であるかを特定できないため、ある意味無知の度合いが高くなると言える。絶対零度では、系がどのような状態か正確に知ることができる。

「これらの点を考えれば、冷却の課題は情報の問題であり、我々の主な洞察は、タスクの複雑さを理解することでした」とMasanesは付け加えた。

この情報理論は、熱力学第二法則と密接に関連している。これに関しては量子情報はさまざまなバージョンを証明するのに成功している。しかし、第三法則はそれほど単純ではなかった。

この第三法則の導出には技術的な応用はあるかもしれないが、研究者らは現在は理論的価値の方がはるかに重要であると強調している。

共同研究者のJonathan Oppenheim教授はIFLScienceに次のように語っている。「我々は冷却の速さの限界を導き出しました。それは、現在を馬車の時代といえるほど非常に高速です。 現在の技術では、その速さの限界に近づくこともできません。しかし、それは特定の冷却装置のための枠組みを与えてくれます」。

この研究は、光速の発見と同様の道の上にいる。我々がそれに近づくことはできなくとも、限界があることを知ることは重要である。

http://www.iflscience.com/physics/third-law-of-thermodynamics-proven-by-finding-the-maximum-speed-of-cooling/all/

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