【物理】『物理学者「負の質量」を持った流体を作り出したと主張』ScienceAlert 2017/4/12

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<概要>

米国の研究者から、負の質量をもった流体が作られたと発表された。

これが意味するのは、他の物体と異なり、この流体を押すと、前に動くのではなく、後ろに加速するということだ。

これによって、ブラックホールや中性子星内で起こるいくつかの奇妙な現象に、説明が与えられるかもしれない。

これまでの理論的研究では、一般相対性理論を破ることなく、負の質量が宇宙内に存在する可能性があるという早期兆候がいくつか示されている。

それ以上に、多くの物理学者は、負の質量が、ダークエネルギー、ブラックホール、中性子星など、宇宙で検出されている奇妙なものの一部と関連づけられると考えている。

しかし、今回ワシントン州立大学の研究者たちは、超音速原子の流体を、負の質量を持っているかのように振舞わせることに成功したと述べている。

この奇妙な流体を作り出すために、チームはレーザーを使ってルビジウム原子を絶対零度近くまで冷却し、Bose-Einstein凝縮を実現した。

粒子は同期し、エネルギーを摩擦で失わない超流動を形成する。

チームはこの超流動体を凍り付く温度に保つためにレーザーを使い、同時にそれを100ミクロン以下の小さなボウル状の場に閉じ込めた。

超流動体がその空間に閉じ込められているとき、Bose-Einstein凝縮が保たれている限り、通常の質量を有しており、極めて正常な状態であった。しかしその後、チームは超流動体を脱出させた。

第2セットのレーザーを使用して、彼らは原子を往復運動させてスピンを変え、「ボウル」を壊し、ルビジウムがそれが負の質量を持っているかのように振る舞うよう、素早く飛び出させた。

この脱出する超流動体の研究が、十分な信頼性と正確さを持つかどうかはまだ分からないため、他の研究者による独立な追試が必要だ。

この研究はPhysical Review Lettersに掲載されている。

http://www.sciencealert.com/physicists-say-they-ve-created-a-fluid-with-negative-mass

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