【医療】『マウスは毛むくじゃらの小さなヒトではない:ずさんな科学はヒトをも損なう』Psychology Today - マーク・ベコフ 2017/4/12

mastomys-443291_1280.jpg

Mice Aren't Furry Little People: Sloppy Science Fails Humans
by Marc Bekoff

ずさんな科学は重大な殺人犯にもなりうる。

有力な研究者を含む多くの人々が、ヒトの病気について学び、その治療法を開発するために、ヒトでない動物(動物)モデルを用いることに、非常に批判的である。もちろんこれはヒト以外の動物を用いて開発された薬品の一部が、ヒトには作用しないと言っているわけではない。しかし、『Drugs That Work In Mice Often Fail When Tried In People(マウスで作用したドラッグも、ヒトでは作用しない場合が多い)』と題されたNPRの最近の報告では、こう記されている、「潜在的な新薬の多くが、ヒトでテストされると失敗する。これらの失敗は単に大きな失望となるだけなく、新薬の開発コストを急騰させることにもなる。これらの失敗の主な理由は、ほとんどの新薬は始め、マウス、ラットあるいは他の動物で試験されることである。これらの動物研究が大きな証明になることも多いが、マウスは単に毛むくじゃらの小さなヒトではないので、これらの研究が科学を迷わせることも多い。科学者の中には、人間の健康にとってより効果的にするため、動物実験を再検討している人もいる」。

NPRのエッセイ(オンラインで閲覧可能)の大部分は『Rigor Mortis: How Sloppy Science Creates Worthless Cures, Crushes Hope, and Wastes Billions(死後硬直:いかにしてずさんな科学が無益な治療法を生み出し、希望を打ち砕き、何十億ドルもの無駄を生み出すのか)』と題されたRichard Harrisの魅力的で非常に重要な新刊を基にしている:

ある受賞歴のある科学ジャーナリストは、我々にとって致死的な帰結をもたらしうる科学研究に巣食う機能障害について警鐘を鳴らす。米国の納税者は、バイオメディカル研究に毎年300億ドルの額を収めている。いくつかの見積もりでは、これらの研究結果の半分は別の場所に再現できないとされている―すなわち単純に間違った科学なのだ。しばしば研究機関や学界は、適切な答えを得ることより、出版結果を重視するために、貧弱な実験設計や不適切な方法、そしてずさんな統計処理などが促されてしまう。

悪しき科学は、単に医療の進歩を妨げるだけではなく、死刑執行と同等のものに署名することさえありうる。 900本もの論文が基にしている細胞が、乳癌細胞ではないことが判明した場合、どのようにして乳癌患者が救われるというのだろうか?最初にテストしたマウスさえ治癒できなかった場合、ALSの新しい治療法がどれくらい効果的となりうるというのだろうか? Rigor Mortisにおいて、賞を受賞した科学ジャーナリストRichard F. Harrisは、これらの緊急の問題を、鮮明な逸話、個人的な談話、そして国内トップのバイオメディカル研究者とのインタビューなどを通じて明らかにしている。我々は今すぐ、この機能不全に陥っているバイオメディカルシステムを修正する必要がある。


これは、より興味を刺激するNPRからの抜粋である

ラットとヒトは数千万年もの間、独自の進化の道を歩んできた。我々ヒトは固有の特性を発達させてきており、げっ歯類もまた同じである。だから、マウスで働く薬が、しばしばヒトで働かないことは驚くべきことではない。

マウス研究の背後にある理念は、すべてを可能な限り一様化することとされてきた。そうであれば、ある機関で得られた結果は、別の場所で行われる同一の実験の結果と同じになるはずである。

しかし、一貫性を得るための広範な努力にもかかわらず、この設定は膨大な量の変位を隠している。マウスの寝床も施設ごとに異なる場合がある。食事でも同じことが言える。マウスは個々の飼育者に強く反応する。マウスはまた、ケージが蛍光灯の近くにあるか、影に隠されているかによっても異なる反応を示す。

しかし、まさにそれが、我々が動物たちに行っていることなのだ。我々は考えられる限りあらゆることをコントロールしようとし、その結果として、我々は全く持って何も学んでないのだ。

彼の分野では、仮定はしばしば貧弱であったり、まったくミスリーディングなこともある。そしてPetskoはこの考え方は逆効果であると言う。彼の分野の科学者たちは、「動物モデルに大きく依存することによって何年も道に迷ってしまっている」と彼は言う。


私の謙虚な提案は、NPRのエッセイとHarris氏の本を読んで広く共有することだ。これを行うことで、多くの、ヒトでない動物だけでなく、ヒトの命をも救うことができる。それは重要なことだ。ずさんな科学は重大な殺人者になりうる可能性がある。そして、そのことに多くの科学者たちは同意している。

Marc Bekoffの最新の著書は Jasper’s Story: Saving Moon Bears(Jill Robinsonと共著)、Ignoring Nature No More: The Case for Compassionate Conservation、Why Dogs Hump and Bees Get Depressed: The Fascinating Science of Animal Intelligence, Emotions, Friendship, and Conservation、Rewilding Our Hearts: Building Pathways of Compassion and Coexistence、The Jane Effect: Celebrating Jane Goodall (Dale Petersonと共編)、そして The Animals’ Agenda: Freedom, Compassion, and Coexistence in the Human Age (Jessica Pierceとの共著)。Canine Confidential: An Insider’s Guide to the Best Lives For Dogs and Usは2018年の初めに出版予定。Marcのホームページはmarcbekoff.com

https://www.psychologytoday.com/blog/animal-emotions/201704/mice-arent-furry-little-people-sloppy-science-fails-humans


この記事へのコメント

人気記事