【環境・数学】『人類がいかに地球をめちゃくちゃにしているかを示すシンプルな方程式』New Scientist 2017/2/10

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Simple equation shows how human activity is trashing the planet
By Owen Gaffney
https://www.newscientist.com/article/2120951-simple-equation-shows-how-human-activity-is-trashing-the-planet/#ixzz6n6BfMbYS


ホモ・サピエンスは今や、自然の大きな力に匹敵している。人類は地球システムの変化の主要な要因となっている。工業化された社会は、小惑星の衝突と同等の規模で惑星を変化させている。これは、人間活動が深く環境を形成しているとして、新たに地質学的時代として提唱されているアントロポセン(人新世, Anthropocene)の説明として、しばしばサウンドバイトでなされる記述である。

だが、そのような提言を数学的に定式化することは可能だろうか? 私はそう考えており、これを行うことで、行動が不可欠である時代に、産業化社会が抱えているリスクについての明確な言明を作成できると信じている。

単純化しすぎない程度に可能な限り単純化するべし、という格言に従い、オーストラリア国立大学のSteffenと私は、大気、海、森林、湿地、水路、氷床そして生命の素晴らしい多様性などの地球の生命維持システムの変化率を考慮に入れ、アントロポセン方程式を作成した。

40億年の間、地球システム(E)の変化率は、天文学的(A)および地球物理学的(G)力と、内部のダイナミクス(I)の複雑な関数であった。これらは、太陽の周りの公転軌道、他の惑星との重力相互作用、太陽の熱出力、衝突する大陸、火山、進化などである。

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過去40年から50年にわたる地球システムの変化率(E)は、純粋に工業化社会(H)の関数となっている。

その変化率は近年紛れもなく一定になっている。過去7,000年のベースラインをとると、地球気温は近年まで、1世紀あたり0.01℃の割合で減少していた。現在のレート(過去45年間)は、1世紀あたり1.7℃の上昇と、ベースラインの170倍の割合かつ反対方向に変化している。記録開始以来で最も暖かい12年は、すべて1998年以降に起きている。

大気への炭素排出量は、間違いなく(非鳥類型)恐竜が、この無常の世から姿を消した6,600万年前以降で最も高い。ここ数十年の生物多様性の驚異的な喪失は、2015年に研究者らにアントロポセンが、35億年前の微生物段階と6億5,000万年前のカンブリア爆発に続く、地球の生物圏進化の第3段階であると主張させるまでに至っている。

これをまとめると、過去40〜50年にわたる地球システムの変化率は、純粋に工業社会(H)の関数であると結論づけられる。

この方程式では、天体および地球物理的な力は、その遅さと希少性のために、現在の内部力学と同様にゼロに向かう。これらの力は依然として圧力を発揮しているが、現在は人間の影響よりもはるかに小さいオーダーの影響となる。

これは大胆な声明だ。 しかし、このように見れば、人間対自然原因という議論は消滅する。 2016年、地球は地球全体の気候に影響を与えるほど大規模なエルニーニョ現象を経験した。しかし、これは冷たいラ・ニーニャによってバランスがとられている。これらを合わせると、これらから生ずる地球システムの正味の変化率は、10年ほどゼロとなる。

誤った安心感

我々は危惧すべきなのだ。過去250万年の間、地球は、間に温暖期、すなわち間氷河期を挟み、氷河期の間を行き来する、潜在的に不安定である、異常な時期に落ち着いていた。我々が住む惑星は、直ぐに復元可能な惑星とは程遠く、引き金付きの惑星である。工業化された社会は制御を失っており、過去11,700年の完新世の見かけの安定性による誤った安心感に陥っている。著しくかつ偶然にも、我々は間氷河期から地球システムを脱し、未知の海に向かっている。

地球システムの変化率はできるだけ早くゼロに落とす必要があるが、この先の数年が、今後数千年の軌道を決定するかもしれない。しかし、支配的な新自由主義経済システムは、依然として無限の惑星の際限ない資源を持つ完新世のような境界条件を前提としている。むしろ、経済発展によって炭素が放出されるのではなく蓄積され、生物多様性を破壊するのではなく豊かにし、水や土壌を汚染するのではなく浄化するような「生物圏肯定型の」アントロポセン経済が必要なのだ。

深刻なリスクを指摘する巨大な証拠を無視することは無分別なことに思えるが、事実に基づく世界観と国際協力が共に疑問視されるとき、地政学的に困難な時が訪れる。ここ数週間の米国ほど、これが明確になったことはない。

驚くべきことかもしれないが、1990年代、ホワイトハウスの戦略家で理論家であったStephen Bannonは、部分的に宇宙植民地任務について検証する目的も持ち、アリゾナに人工生息地を作るプロジェクトであったバイオスフィア2のCEOを務めていた。バイオスフェア2における人間と自然の微妙なバランスは混乱し、1994年に実験は終了した。

一方バイオスェア1―地球―はそれほど短期的な危機を迎えてはいないが、社会はすでにその状態だ。これほどまでに危機的な状態はない。しかし、安定に必要な決定的な知識と行動は、今日の事実を巡る戦争の巻き添えになる危険性まである。 無知と不確実性は、もはや行動を起こさないための合理的な言い訳にはならない。

Journal reference: The Anthropocene Review, doi: 10.1177/2053019616688022


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