【その他】『マイケル・シャーマーのインタビュー』The Freethink Tank 2016/12/9

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Interview with Dr Michael Shermer
DECEMBER 9, 2016
http://www.thefreethinktank.com/interview-dr-michael-shermer/

Michael Shermer博士は、Skeptic誌の創設者兼編集長である。また、Time.comの定期的な寄稿者およびScientific Americanの月例コラムニストであり、Chapman大学のPresidential Fellowも務めている。Michael はまた、熟読された著者であり、彼の最新の著書『The Moral Arc』は、科学と理性が人類をどのように真実に向かって導くことができるかについて魅力的な探索をしている。加えて、彼は何百万人もの人々に視聴されている2つの優れたTEDトークを行い、両方とも1000を超えるトークの中でトップ100に選ばれている。このインタビューでは、スタートレックからお気に入りの本(ネタバレするとその1つはSteven Pinkerの『The Better Angels of Our Nature(邦題:暴力の人類史)』であるが)まで、幅広いテーマに触れた。Michaelとのインタビューは楽しい時間であった。彼の冒険を、楽しんで読んでもらえることを願う。

導入

Q:ディナーパーティーで誰かに「あなたは何をされてますか?」と聞かれたら、どう答えますか?
A:Skeptic誌の編集者であり、Scientific Americanの月刊誌を書いており、Chapman大学の教授であり、科学本を書いています。自転車にも乗ります。必ずしもその順番ではありませんけどね!

若年期

Q:どちらで育ったのか教えてもらえますか?田舎か都会かどちらにお住まいでしたか?
A:カリフォルニア州のラ・カナダで育ちました。サン・ガブリエル山地のふもとにあるロサンゼルスの眠たい郊外です。私はすべて公立学校に行きました:モントローズ小学校、ローズモント中学校、クレセンタ・バレー高校。私の両親は私が4歳のときに離婚し、私は数マイル離れた2つの家で育ちました。私には2つ上の義理の兄弟と、片方に姉、もう一方に2人の義理の妹がいます...いわゆるアメリカ的な家族の間で育ちました。

Q:あなたは学校でどのような科目を履修しましたか?またどの科目が最も苦手でしたか?
A:私はスポーツを専攻する、学業では平凡な学生でした。幼いころから野球をしており、脊椎の腫瘍であることが判明した、奇妙な背中の問題のためにプレーを諦めることになった高校3年まで続けました。しかし腫瘍も4年ほどはX線をとるほど大きくなかったので、アーチェリーを始め、硬いプラスチック製のバックブレースを腰から首にかけて行っていました。医者が私のちょっとした脊柱側湾が痛みの原因だと考えたからです。腫瘍が除去された後は問題がなくなったので、再びスポーツ(最初はテニスでその後サイクリング)を始めました。しかしその間に、私はいつか必要になるかもしれない場合に備えて、教養を身に着けたほうがいいと気づきました。それが私が科学と歴史に興味を持ったきっかけです。

Q:通信簿に書かれていたコメントで思い出されるものはありますか?
A:これですね:「ええと、彼はきっとサービス業界で働くことになるでしょう」

Q:「これこそ私が学びたい科目だ」と思ったエウレカな瞬間を経験しましたか?
A:大学1年生の時の、グレンデールカレッジのRichard Hardison教授による天文学の基礎でした。私はどのコースを取るべきかわからずにいましたが、SFの大ファンでスタートレック信者だったので、天文学が好きかもしれないと思っていました。しかしきっかけになったのは、特に科学や哲学に対するDick Hardisonの伝染しやすい学びへの愛でした。それは未完の私の心に新たな世界を開いてくれました。

Q:自分の分野に恋に落ちた瞬間を覚えていますか?
A:Hardison教授は心理学の基礎コースも教えました。これは天文学の後に取ったものです(コミュニティカレッジのようなものだったので、彼のような博識家は本当に様々な科目を教えることができました)。私は社会的活動に興味があり、社会科学(特に、心理学に加えて経済学)が私には最適な準備になると思ったので、心理学一般と社会科学を選択しようと考えました。さらに、天文学には多くの物理学や数学、特に私が苦労した微積分がありました。いずれにしても、私はアマチュアの観点から観測天文学の方により興味があり、今でも8インチのミード望遠鏡を使って観測しています。しかし専門的には、私の研究と執筆のほとんどは社会科学に焦点を当てています。

学術教育

学部時代について:

Q:どこの大学で勉強しましたか?また、それは第一志望でしたか?
A:私は1975年にペパーダイン大学に入学しました。それは主に次の3つの理由でした。(1)すでに通っている友人が2人いて、評判が良かったこと。(2)それは保守的なキリスト教校であり、当時私はキリスト教徒であったこと(政治的な立場はまだ確かではありませんでした)。(3)あとは、太平洋の向かいにあるマリブのキャンパスをご覧になったことがありますか?


Q:大学でどの分野で学士号を取得しましたか?また、やり直すとしても同じ科目を選ぶでしょうか?
A:心理学です。生物学も副専攻にしました。はい、もう一度やりたいですね。

Q:強く影響を受けた大学の講師を覚えていますか?
A:グレンデール・カレッジでは、Richard Hardisonのほかに、文明の歴史を教えてくれたEarl Livingoodがいました。彼は本当に素晴らしい語り手で、私は、彼が教えたすべてのコース、すなわち古代史、中世史、現代史、そして米国史と考古学を取りました。ピーターダイン大学では、心理学を教えてくれたOla Barnettは私のメンターでもありましたし、イエス・キリストとC.S.Lewisの著述を教えてくれたTony Ashもいました。カリフォルニア州立大学フラトン校では、Douglas Navarickは私のメンターであり、実験心理学プログラムの顧問でした。私は彼の行動研究室で2年間ラットやハトを用いた実験を行いましたが、彼は今も私の友人であり同僚です。また、7-10から進化論教えてくれたBayard Brattstromは独特の人で、新生キリスト教徒であった時代から私の頭でくすぶっていた創造論の残余に、完全にとどめを刺してくれました。その後、10-2amからは、フラートンの301 ClubでBayardの周りに集まり、閉店時間まで大人の飲み物を飲みながら、人生、宇宙など、あらゆる大きな問題について語り合いました。確か、それは42クラブと呼ばれていたはずです。

大学院での研究について:

Q:何が動機で学業をさらに追求しようと思いましたか?
A:クレアモント大学院大学の博士課程に在籍していたとき、私たちの時代の偉大な科学史家の一人であったRichard Olsonは、私のメンターであり顧問でした。 私がそこに行ったのは、彼が、私を科学史に導いたJames Burkeのシリーズ『The Universe Changed』の科学史のアドバイザーであったことを知ったからです。Burkeは、歴史においてアイデアがいかに重要であるか、また、それが他のどんなものよりも、文化、社会、政治、経済などを推進することを示し、誰もまねできないような方法で実証までして見せました(彼の最初のシリーズConnectionsを考えてみて下さい)。それはまた、私を公的な知識人(public intellectual)になるようにも促しました。

Q:大学院での教育を追及するためにどこの機関で研究されましたか?
A:そうですね、10年間、私はハードノック学校、別名現実社会で学びました。私はサイクリングとライティングを追求するのに10年を要し、どちらも最後まで合理的で真剣にやることになりました。

Q:博士論文のタイトルは何でしたか?また、あなたの発見を初学者にどのように説明しますか?
A:『Alfred Russel Wallace:異端の科学者』です。私は、オックスフォード大学出版社の『In Darwin’s Shadow: The Life and Science of Alfred Russel Wallace』と題して出版された全編の伝記を書き直すことにしました。彼は進化論の歴史の中で二番目に重要な人物です。一番は伝記のタイトルから明らかでしょう。

Q:あなたが再び学生としての時間を許され、何かするとすれば、何をしますか?
A:グレンデール・カレッジでは、私は微積分を取るでしょうね。ペッパーダインでは、サーフィンをしてPCHまでサイクリングすることを覚えるでしょう。CSUフラートンで私はもっと人類学を学ぶでしょうね。クレアモントでは、私は、Marx主義の歴史家であり文字通りの脱構築主義者によって教えられた、ばかげたポストモダンのコースの代わりに、認知心理学のコースを取るでしょう。

キャリア

Q:これまで歩んでこられた専門的な道について少しお聞かせください。
A:私は非常に非正統なキャリアを歩んできました。人には勧められません。しかしまた、ほとんどの人生は計画どおりにはいかないものなので、その意味では珍しいことではありませんね。私はずっと大学の教授になりたいと思ってました。いい仕事(great gig)だと思いましたからね。勉強を教えたり、自分でも学び本を読んでお金がもらえるのですから。しかし、私はいくつかの偶然によって道が逸れ、10年ほどサイクリストをしたり、バイクショップ(Shermer Cycles)の共同オーナーをしたり、(Lon HaldemanとJohn Marinoと共に)レース・アクロス・アメリカに参加したり、さらに2つのサイクリング雑誌を通じて雑誌出版について学んだりしました。私はこれをいかしてSkeptic誌を共同創設したのですが。その間もずっと、非常勤講師として教えていたので、そのいい仕事に携わってましたが、これらの他の楽しいものや興味深いものもすべて同時にやっていました。基本的に私は生計を立てなければなりませんでしたが、嫌いな職場で働くことになるのは嫌だったので、それに関しては、これまでのところずっとうまくいってますね。

”好きなことをやって生計を立てるために、こういうことになりました


Q:あなたの最大の成果は何だと思いますか?
A:世界を、昨日より少しでも良い場所に、そして、明日をまた、今日よりも良いものにするために努めていることです。実際の具体的な成果については...私には分かりません。それは歴史に判断してもらいます。しかし、歴史から何らか学ぶことがあるとすれば、私たちのほとんどが行うことは、大きな変化にとってそれほど意味のあることではないが、私たちがみな日常的にやっているすべてのことが、長い時間をかけて少しずつ少しずつ積み重なって、やがて変化につながるということです。ユートピアやディストピアではなく、プロトピアについて考えていきましょう。

Q:あなたが現在専門的に焦点をあてていることについて教えてください。
A:不死性と完全性の探求に関する研究と、死と、死ぬことを想像することに関する心理学の研究です。

Q:あなたの分野で、どんなブレークスルーが水平線に見えますか?
A:心理学では、人の脳と人工知能とのインターフェースにより、すべての人の思考能力を向上させる技術です。しかしもっと重要なのは、私が死ぬ前―2054年の9月8日に100歳になります―までに、精神病やアルツハイマー病/痴呆/老化の問題を解決することです。希望は永遠に湧き出てきます。

Q:想像力を拡げて、あなたの後継者たちが2116年に取り組んでいて欲しいと思うものを教えてください。
A:21世紀に押し寄せたすべての要因を説明することで、戦争を終結し、核兵器をゼロにし、貧困を撲滅し、そして道徳の領域を、すべての人間にとどまらず、他のすべての知覚を持つ動物に拡大するための理論です。

”道徳の領域を、すべての人間にとどまらず、他のすべての知覚を持つ動物に拡大する


Q:何があなたの専門家としての遺産になると感じますか?
A:これは私の本であればいいと思ってますが、おそらく首の筋肉が酷使で衰弱し、自転車のハンドルバー越しにあまり長時間傾けられることで緊張した状態である、今では正式な病態となっているShermer's Neckでしょう。私は1983年に、3,000マイルのノンストップの大陸横断自転車レースであるレース・アクロス・アメリカ(RAAM)に参加していました。私は約1500マイルのところを、最終的な優勝者であるLon Haldemanの後を2位で追っていたのですが、そのとき私は頭がどんどん重くなっていくことに気づきました。私は、頭が崩れ落ちて、道路の遠くが見えないという事実から、それ以上安全に自転車に乗ることができず、最終的にオハイオ州の州境でレースを中止しなければなりませんでした。これについて、医学雑誌ではココで、サイクリング系の出版物では、ココで読むことができます。

現在のプロジェクト

Q:書籍、ポッドキャスト、ウェブサイト、講演など、現在取り組んでいる課外プロジェクトは何かありますか?
A:2016年5月6日に生まれた息子を育てています。また、次の本『 Heavens on Earth: The Quest for Immortality and Perfectibility』を書き終える所です。そしていつものように自転車に乗っています。それが正気を保つ助けになります。

アドバイスやコツ

Q:18歳の自分にアドバイスを1つ与えられるとしたら、何を言いますか?
A:スポーツや投資については、リスク回避的な態度を少し弱め、女性についてはもう少しリスク回避的になりましょう。

Q:あなたの分野キャリアを開始したり、発展させようとしている人に、どんなアドバイスを送りますか?
A:多くの教授から多くの異なる科目を取り、様々な著者の様々な本や論文を読み、あなたの科学分野だけでなく、政治、経済学、そして特にイデオロギーなどにおいて多様な意見が存在することを確かめるようにしましょう。

Q:あなたの人生に最も大きく影響を与えたのは本は何ですか?
A:10代の若い頃は、Isaac AsimovとArthur C. ClarkeのSF小説でした。20代の頃はAyn Randの『Atlas Shrugged』、 Milton Friedmanの『Free to Choose 』、Ludwig von Misesの『Human Action』。そして、Carl Saganの『The Dragons of Eden』とRichard Dawkinsの『The Selfish Gene』ですね。30代、40代では、Stephen Jay Gouldの『The Panda’s Thumb』や『The Flamingo’s Smile』などのエッセイ・コレクションと、短い論文『Time's Arrow、Time's Cycle』などです。50代ではCarl Saganの『Demon-Haunted World』とSteven Pinkerの『The Blank Slate』ですね。

Q:あなたの分野の初学者に1冊勧めるなら、何を勧めますか?
A: Steven Pinkerの『The Better Angels of Our Nature』ですね。

”自由に考えることは科学と民主主義の核心


Q:自由思想家(freethinker)であることの重要さは何だと思いますか?
A:自由に考えることは科学と民主主義の核心です。

結び

Q:最後に、ディナーパーティーに戻りましょう。誰かが飲み物を持ってきてくれます。あなたは頼みますか?
A:オールドファッションド(薄いクリスタルグラスの中にウィスキー、ビターズ、砂糖、柑橘類の皮のツイスト、そして大きなアイスキューブを1つ)です。

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【まとめ】『マイケル・シャーマーの記事一覧』





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