【心理】『同性の両親が家族にいても、子供には何の問題もなし』The Conversation 2015/6/4

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In families with same-sex parents, the kids are all right
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同性婚に反対する中心的な主張は、これらの結婚の下に生まれた子どもたちが不利な立場に置かれるというものだ。彼らは不適切なジェンダーロール(性役割)モデリングと共に育つため、学校での虐めや、友達よりも感情的なウェルビーイング(well-being)が劣ることで苦しむだろうというのだ。

同性愛者は、里親になるなど、多くの方法で親になれる。ますます、レズビアンのカップルやひとり身の女性が、精子ドナー(カップルの友人)あるいは診療所から供給された匿名のドナーを用い、家族を形成している。 男性カップルもまた、卵子の提供や代理サービスを利用して、親となることが増えている。

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2011年のオーストラリア人口調査では33,714の同性カップルをカウントした。これらのカップルの内、約4,000のカップルは、扶養児童と同居していた。しかし、調査ですべての同性愛者が彼らの関係を表明しているわけではないし、同性愛者でも片親の場合はカウントされていないため、実際の数よりは少ないものと思われる。

米国では、2011年に594,000の同性愛者世帯のうち115,000が子供を抱えていたと報告されている。

人々は、道徳的あるいは宗教的理由で同性愛者の結婚に同意しないかもしれない。しかし、それが子供に悪影響であるという主張は、現在の証拠とは相いれない。

2010年に、アメリカの研究者は、異性のカップルによって育てられた子どもと、同性のカップルによって育てられた子供のウェルビーイングを比較した33の研究のメタアナリシスの結果を発表した。この研究では、同性の両親によって育てられた子どもたちが、行動、教育、情緒、社会的アウトカムなどの項目において、他の子供よりも劣っているという証拠は何も見出されなかった。

研究者はまた、方親や同性カップルによって育てられた子供が、他の子供よりも能力で劣るという証拠もないと結論付けた。むしろ、片親の家族に関する研究は、これらの男性と女性は、彼らの育児スタイルにおいて、考えられているよりもずっと柔軟性があることを示している。男性は優しく子育に積極的で、女性はサッカーまで教えながら、子供たちに規範と境界を設定することができる。

ドナー提供により受精した子供たちはどうか?

レズビアンの出産サービスへのアクセスに関する政治的な懸念は、ドナー提供により受精した子供たちのウェルビーイングが、同性愛者の結婚と育児に関する議論に取りこまれたことを意味する。

2013年に、末期癌と診断されたオーストラリアの若い女性Narelle Grechの話がニュースメディアでヒットした。Grechはドナー提供による子供であり、死ぬ前に彼女の生物学的父親に会いたいと思っていた。

Grechの話は、ドナー提供の子供が、遺伝的由来を知る選択肢を持つ重要性について強力な声明となった。しかし、メディアはしばしば、すべてのドナー提供の子供が、可哀想に遺伝的な親を捜しているという印象を与えた。

これは事実ではない。ドナー提供による一部の子供は、提供した親に会いたいと強く願うが、子供によっては好奇心を持つ程度で、関心を持たないものもいる。ドナー提供であるということが、子供に情緒的あるいは社会的ダメージを与えるという証拠はない

学校での虐めは?

米国のGay, Lesbian, Straight Education Network (GLSEN)が2008年に行った調査では、同性の両親によって育てられた多くの子供が、学校で何らかの形で、同性愛差別的嫌がらせを経験したか、あるいは目撃していたことが分かった。

しかし、より一般的に言えば、若者たちは学校が彼らの家族構成を認めていなかったために、疎外感や孤立感を感じていたと報告している。職員たちが、教室内でセックスやセクシュアリティについての話題が語られることになるという誤った懸念のため、彼らに家族について話すのを控えるよう積極的に促していたケースもあった。

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The Safe-Schools coalition tackles homophobia in schools. Matthew Jacques/Shutterstock

他の研究ではより混在した結果に

オーストラリアの研究では、一部の子供たちは、同性愛差別を経験することを心配しており、その不安が彼らのウェルビーイングに影響を与える可能性が示されている。しかし、同性の両親を持つ子供のほとんどは、他の子供たちに比べ、学校でより頻繁に、あるいはよりひどい虐めにあうことはない。

加えて、同性の両親を持つ子供たちは、一般的により良い社会的ネットワークや仲間関係を築いており、これらは偏見や差別に対する強い緩和材になる。

この研究は信頼できるものなのか

同性の両親の間で育った子どもたちのウェルビーイングの研究のほとんどは、小さな「恣意的」サンプルに依存していると批判されてきた。批判者たちは、健康的で才知のある人々の方が、社会的に疎外されていたり、才能の劣る人々よりも研究に参加する可能性が高いため、恣意的サンプリングは本質的に信頼性に欠けると主張する。

しかし、大規模な集団ベースの研究では、同性の両親に育てられた子どもたちの、ほんの小さな部分サンプルしか含まない傾向にある。これでは、信頼性の高い統計分析のために必要な数を生成しない。

方法論的制限は、これらの研究の妥当性に対する保守的な議論への燃料を提供する。批判家が認めないことは、研究結果の反復 ― 時間をかけた様々な場所での数多くの研究が、同性の両親を持つ子供が問題なくやっていると結論付けている ― がこの研究の主要な強みであるということだ。

同性婚はどうなのか

同性の両親に育てられた子どもたちは、社会的に進歩的で、同性愛をより受け入れている街や国に住んでいる場合、よりうまくやっている。このように、公然と同性カップルの権利を支持することが、政府が同性の両親によって育てられる子どもたちをサポートするためにできる最良の手段の一つなのだ。

これ以外にも、学校が同性愛嫌悪に対処するために十分整備されているかを確認するSafe-Schools coalition Australiaのようなプログラムに資金提供することも、同性の両親を持つ子供たちの日々の体験に直接的な影響を与えられることになるだろう。

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