【生態・環境】『人口増加と生物種の絶滅』Center for Biological Diversity

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我々は、地球第6の大量絶滅危機の真っ只中にいる。ハーバードの生物学者であるE. O. Wilsonは、年間3万種(あるいは1時間当たり3種)が絶滅に追いやられていると見積もっている。これを1年に100万種あたり1種の絶滅という自然の背景比率と比較すれば、科学者がそれを人類の歴史において比類ない危機と呼ぶ理由が理解できるだろう。

現在の大量絶滅は、惑星あるいは銀河物理学的プロセスではなく、単一の種によって駆動されているという点で、他のすべてのケースと異なっている。人類―ホモ・サピエンス・サピエンス―が、アフリカから90,000年前に中東に、ヨーロッパとオーストラリアには40,000年前に、北アメリカに12,500年前に、そして8,000年前にカリブ海に移住したとき、絶滅の波がすぐに続いていった。

入植に続き絶滅が続くというパターンは、最も最近では、人間がマダガスカルに入植し、象、鳥、カワウソ、大型のキツネザルを急速に追いやった2000年前に見られる。[1]



絶滅の最初の波は、狩猟採集者によって狩猟された大型脊椎動物を標的とした。第2の大きな波は、農業の発見により人口が急増し、野生生物の生息地を耕作したり、川の流れを転換したり、家畜の大群の維持を行うことが必要となった、10,000年前に始まった

3番目に大きな波は1800年に化石燃料の利用に伴い始まった。莫大で安価なエネルギーで、1800年の10億人から1930年の20億人、1975年の40億人、そして現在の70億人以上と人口が急増した。現在の経路が変更されなければ、2020年までに80億、そして2050年まで90から150億(おそらく前者)に達するだろう。

惑星の歴史において、これほどまでに多く、そして急速に増えた大型脊椎動物は存在せず、他の地球の仲間たち(earthlings)に壊滅的な結果をもたらしたものもいない。

人類の影響は非常に深刻であり、科学者らが完新世時代の終了を宣言し、(約1900年頃から始まる)現在の時代を「人口増加と経済発展の地球環境への影響」が、 惑星の物理的、化学的、および生物学的条件よりも支配的となった時代としてアントロポセンと呼ぶことを提案するまでになっている [2]。

・人類は、地球の陸上一次生産量の42%、海洋一次生産量の30%、淡水の50%を消費している[3]。
・地球の土地の40%は人間の食糧生産に充てられており、1700年の7%から大幅に増加している[3]。
・地球の土地の50%が人間の使用のために転換されている[3]。
・他のすべての自然のプロセスを合わせたよりも多くの窒素が人類によって固定されている[3]。

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現在のアメリカ海洋大気庁の責任者を含む、『Human Domination of Earth's Eccosystems』の著者らは次のように結論づけた:

「これらの一見無関係な現象は、人類の進展という単一の原因に遡ることができる。今起こっている変化の割合、規模、種類、組み合わせは、過去の他の時代に起こったもの全てと根本的に異なっている... 我々は人間が支配する惑星の上で、人口増加の時代に生きている。ほとんどの地域でさらなる経済成長を必須としており、人間支配が拡大することが保証されている」

生物多様性、種分布、気候、植生、生息地の脅威、侵略種、消費パターン、制定された保全対策の違いにより、局所的な絶滅率を予測することは複雑な問題だ。 しかし、1つの定数は人口圧迫である。114の国の調査によると、人口密度から、国際自然保護連合[4]によって確認された絶滅のおそれのある鳥類や哺乳類の数を88%の精度で予測できている。 現在の人口増加の傾向は、絶滅の恐れのある種の数が今後20年間で7%、2050年までには14%増加することを示している。しかもこれは、気候変動による影響を含めていない。

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研究著者の1人であるJeffrey McKeeは、「人間の密度は種の脅威の重要な要素です。他の種が哺乳類や鳥類と同じパターンをとるなら、人口の増加に伴う地球規模の生物多様性への深刻な脅威に直面していることになります」と語った [5]。

では、70億人の人々との関係の中で、野生生物は今日どの位置にいるのだろうか?世界的には、哺乳類の12%、鳥類の12%、爬虫類の31%、両生類の30%、魚類の37%が絶滅の危機に瀕している[6]。植物と無脊椎動物も、世界の脅威レベルを決定するのに十分な評価が得られていないが、深刻なものである。

絶滅は持続不可能な人口の最も深刻で、完全に不可逆的な影響である。しかし残念なことに、持続可能人口レベルがどのようになるかについての多くの分析は、人類が生き残るために十分な食糧と清潔な水を保有するレベルに人口を保つこととしてしか推定していない。 我々にとっての持続可能性とエコロジカルフットプリントという概念―我々にとって生きる価値ある世界という認識―は、すべての種が生きるための十分な空間と資源を許容したうえで、自分たち自身もそれを享受することだと前提している。

REFERENCES CITED

Eldridge, N. 2005. The Sixth Extinction. ActionBioscience.org.
Crutzen, P. J. and E. F. Stoermer. 2000. The 'Anthropocene'. Global Change Newsletter 41:17–18, 2000; Zalasiewicz, J. et al. 2008. Are We Now Living in the Anthropocene?. GSA Today (Geological Society of America) 18 (2): 4–8.
Vitousek, P. M., H. A. Mooney, J. Lubchenco, and J. M. Melillo. 1997. Human Domination of Earth's Ecosystems. Science 277 (5325): 494–499; Pimm, S. L. 2001. The World According to Pimm: a Scientist Audits the Earth. McGraw-Hill, NY; The Guardian. 2005. Earth is All Out of New Farmland. December 7, 2005.
McKee, J. K., P. W. Sciulli, C. D. Fooce, and T. A. Waite. 2004. Forecasting Biodiversity Threats Due to Human Population Growth. Biological Conservation 115(1): 161–164.
Ohio State University. 2003. Anthropologist Predicts Major Threat To Species Within 50 Years. ScienceDaily, June 10, 2003.
International Union for the Conservation of Nature. 2009. Red List.

http://www.biologicaldiversity.org/programs/population_and_sustainability/extinction/

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