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The 12 cognitive biases that prevent you from being rational
George Dvorsky
ヒトの脳は毎秒10の16乗のプロセスを行う能力があり、それによって現在存在しているいかなるコンピュータよりはるかに強力なものとなっている。しかし、それは我々の脳に大きな制限が存在しないということを意味しているわけではない。簡単な計算機の方が我々より何千倍も計算に長けているし、記憶力も使い物にならないこともしばしばである。それに加え、我々は認知バイアスにかかっている。それは、思考の中のやっかいな欠陥であり、疑問の残る決断や間違った結論を導く要因となる。ここでは、あなたが知っておくべき、最も一般的で悪質な12の認知バイアスを紹介する。
話を始める前に、認知バイアスと論理学的誤謬の区別をしておくことは重要である。論理学的誤謬とは論理的論証における誤りである(たとえば個人攻撃、滑りやすい坂、循環論法、威力に訴える論証など)。一方で認知バイアスとは、我々の思考における真正的な欠陥や制限であり、記憶違いや社会的要因や(統計的過誤や確率の錯覚などの)計算ミスによって生じる判断の誤りである。
認知バイアスは危機的状況において、情報処理の効率を高める助けをすると考える社会心理学者もいる。だがそれによってひどい間違いが生まれることは事実である。我々は判断を行う上でそのような誤りに陥りがちであるかもしれないが、少なくともそれを意識することはできる。以下のものは特に頭に置いておくことが重要なものである。
1.確証バイアス
我々は自分たちに同意するものに同調することを好む。それが、自分たちの政治的見解を表明してくれるウェブサイトばかり見たり、同様の考えや好みを持つものとばかり付き合う理由である。我々は不都合であったり自分たちの見方を脅かす人や集団やニュースソースを遠のけようとする傾向にある。これを、行動心理学者B. F. Skinnerは認知的不協和と呼んだ。これが、すでに持っている見方を強化するような考えのみを好意的に受け取り、その一方でどれだけ正当なものでも、自分の世界観を脅かす意見であれば無視しようとする無意識的な働きである確証バイアスに導く。そして逆説的なことに、インターネットはこの傾向をただただ悪化させている。
2.内集団バイアス
確証バイアスにいくぶん似たものが、内集団バイアスである。これは、生得的な組織性の表れである。またこれは奇妙なことに、大部分が―いわゆる「愛の分子」―オキシトシンと関係している。この神経伝達物質は、内集団間の絆を強める助けをする一方で、外部に対しては全く逆の効果、すなわち疑心、恐怖、ひいては軽蔑心まで生み出す。結果的に内集団バイアスは、本当に理解してない相手に対する信用の犠牲と引き換えに、身近な集団の能力や価値に対する過大評価を生み出す。
3.ギャンブラーの誤謬
これは誤謬と呼ばれてはいるが、思考の欠陥という方が正確だ。我々は、過去の事象がなんらかの形で将来の結果に影響を与えると信じる傾向にある。お決まりの例はコイン投げだ。例えばコインが5回続けてオモテだった場合、我々は次のコイントスではウラが出る確率が非常に高いと考える傾向にある。しかし、現実には確率は変わらず50/50である。統計学者の言うように、異なるコイントスの結果は統計的に独立であり、どの結果の確率も常に50%である。
関連して、ポジティブな期待バイアスと呼ばれるものもある。これがしばしばギャンブル依存症の要因となるのだ。これは、運はやがては転換し幸運が巡ってくるだろうという感覚のことである。これは「ホットハンド(ツキが来ている)」という誤解にも導く。新しい交際が始まると、きっと前の交際よりいいものになるだろうと信じる感覚も同じである。
4.購入後の正当化
全く不要なものや不良品や高すぎるものなどを買った後、その購入を、全く素晴らしい考えだったと自分自身を説得するくらいに、なんとか正当化しようとした経験はないだろうか。ああ、それこそが購入後の正当化と呼ばれるものだ。これは、ひどい選択(特にレジで)をした後の気分をマシにするために備え付けられたメカニズムのようなものである。この購買を正当化する無意識的な仕組みは、購買者のストックホルム症候群とも呼ばれる。社会心理学者は、これは傾倒の原理(principle of commitment)、すなわち一貫性を持ち、認知的不協和を避けたいという心理的欲求に根差すものであるという。
5.確率無視
車でドライブに行くことに問題がある人は少ないが、35,000フィート上空を飛行機で飛ぶことには大きな恐怖を感じるという人は多い。空を飛ぶというのは明らかに不自然で危険の伴う行為と思われる。だが、車に乗って交通事故に巻き込まれて命を落とす確率の方が、飛行機事故で亡くなる確率よりはるかに大きいことは誰もが認める所である(統計的に言えば、交通事故に合った84人に1人が亡くなっているが、飛行機事故の場合は1/5000の確立である。1/20,000という出典もある)。階段から落ちたり、中毒にあったりするなどのより起こりやすい要因より、テロで殺されることなどを心配をするのも同じ現象である。
危険やリスクの誤った感覚を持つこの欠陥は、社会心理学者Cass Sunsteinが確率無視と呼ぶものであり、比較的害のない行為のリスクを過大に見積もらせる一方で、より危険なものを買いかぶらせる要因となる。
6.観測選択効果
これは、以前までほとんど気づかなかったことが、突然頻繁に起こるようになったと錯覚する効果のことである。最良の例の一つは、新しい車を買うと、突然同じ車がそこら中にあるように感じられるというものだ。妊娠した女性が、突然周りにいる多くの妊婦に気づくというのも同じである。これは、数字や曲などでも同じだ。これは実際には頻度が増しているのではなく、(なんらかの理由で)特定のものが頭に残り、頻繁に気づくようになるというだけのことだ。問題は、多くの人がこれを選択的なバイアスだと気づいておらず、本当にそれらの事象の頻度が増したように感じることだ。この感覚が(仮にそうであっても)偶然ではありえないと感じるのもまた、一つの認知バイアスによるものである。
7.現状維持バイアス
我々人間は変化に不安を感じ、それはまた物事をそのままにしておくか、あるいは変化を最小限に抑える選択に導く。言うまでもなく、これは政治から経済と波及効果を持つ。我々はルーティーンや政党やレストランのメニューなど、同じものに固執していたいのだ。このバイアスの致命的な害の一部は、根拠もないのに他の選択を劣っているとか、物事を悪化させるものだとか考えさせることだ。現状維持バイアスは一言でこう言うことができる、「壊れてなきゃ直す必要はねえ」―我々の保守性を促す格言である。実際、これこそほとんどの人が改善を支持していながら、米国がユニバーサルヘルスケアに取り組めていない理由であるというコメンテーターたちもいる。
8.負バイアス
人は悪いニュースの方により注意を払う傾向にある。―そしてその理由は我々が病的だからというだけではない。社会科学者たちは、我々の選択的な注意のために、より重要で深遠ものとしてネガティブなニュースを認識しているのだと理論化している。我々また、悪いニュースにより信頼を寄せる傾向がある。これはおそらく、反対の見出しに疑い深くなっている(あるいはうんざりしている)ためであろう。より進化的に言えば、悪いニュースに注意を払う事は、良いニュースを無視するよりも適応的になる可能性が高いからである(例えば、「サーベル・タイガーはヤバイ」対「このベリーは美味しかった」などの知らせである)。今日、我々は本当に良いニュースを犠牲にして、ネガティブな思考に浸る住むリスクを冒している。Steven Pinkerは、著書『The Better Angels of Our Nature: Why Violence Has Declined』において、犯罪、暴力、戦争、そしてその他の不平等は着実に減少していると主張しているが、ほとんどの人は事態が悪化していると考えている。職場での負バイアスは最適な例の一つだろう。
9.バンドワゴン効果
しばしば無意識なこともあるが、我々は群衆の流れに乗りたいと考えている。大衆が勝者やお気に入りを選ぶ時、個人化された脳はシャットダウンし、一種の「群思考」や集団意識にはまっていく。それは大きな集団である必要もなければ、国全体ほど気まぐれである必要もない。家族やオフィスの同僚同士の小さなグループでも良い。バンドワゴンの効果は、行動の根拠や支持の動機にかかわらず、行動、社会的規範、ミームなどが集団間で伝播する原因となることが多い。そのため、世論調査はそれに応じて個人の視点を操ることができるためしばしば批判を受ける。このバイアスの多くはアッシュの同調実験で有名なように、適合と従順の本能的欲求に関係している。
10.投影バイアス
我々は自身の心の中に24/7トラップされているため、自身の意識と好みの外に出ていくことはしばしば困難なこととなる。 我々は正当な根拠もなく、ほとんどの人が自分たちと同じように考えていると考える傾向にある。この認知的欠点は、偽の合意効果として知られる、人々が自分と同じように考えるだけでなく、自分に同意するだろうと信じる傾向にも導く。
これは、自分がどれほど典型的で一般的であるかを過大評価し、存在しない所にに合意があると想定してしまうバイアスである。それはまた、過激派あるいは非主流派のグループのメンバーが、外部の人々のうちで実際よりも多くのものが、彼らに同意すると想定してしまう効果を生み出す。また選挙やスポーツの勝者を予測するときの過剰な自信も同様である。
11.現在バイアス
我々人間は、将来の自分自身を想像し、それに応じて行動や予測を変えることが本当に苦手である。我々の大部分は、後に痛みを残してまで現在の快楽を選んでしまう。これは、エコノミストや保険従事者にとって特に懸念されるバイアスである。事実、1998年の調査によると、来週の食事の選択においては、参加者の74%が果物を選ぶ一方で、今日の食事の選択においては70%がチョコレートを選ぶことが示された。
12.アンカー効果
相対性の罠としても知られているが、これは限定された項目だけを比較して対比することを余儀なくさせる傾向のことだ。これは、他のすべてのものと比較するために、ある値や数値を基準にする傾向があるため、アンカー効果と呼ばれる。古典的な例は店で販売されている商品である。我々は価格の違いを見る(そして評価する)傾向があるが、全体の価格そのものは見ない。これは、レストランのメニューが非常に高価なメニューをフィーチャーしながら、(明らかに)よりリーズナブルな価格のメニューを載せている理由である。これはまた、選択肢を与えられたときに、高価過ぎず安過ぎもしない中央の選択肢を選ぶ傾向にある理由でもある。
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