【健康】『デトックスダイエットやクレンジングに関する事実と誤り』LiveScience 2015/1/9

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ジュースファスティングからコロンクレンジングやデトックスダイエット、パージングなどは、体重を減らしたり、健康的なライフスタイルを始めるようとしている人々の間で大流行である。しかし、医者や栄養学の専門家によれば、これらの療法は思われてるほど健康的ではない。

体内の毒素や有害な物質を取り除くというデトックスは、数え切れないほどのウェブサイトで促進され、セレブリティたちの承認も受けている。デトックス療法の支持者たちは、身体が、癌などの病気を起こす要因となる毒素を蓄積させるということを前提にしている。これらの毒素の定期的なクレンジングは、病気のリスクを軽減し、健康でより晴れやかな感覚とエネルギーをもたらすという。

だが、フィラデルフィアにあるドレクセル大学の栄養学部長であり教授でもあるStella L. Volpeによれば、これらのいわゆるクレンジングが実際に人体の健康に利益をもたらすという科学的証拠は存在していないという。

「健康であれば、日々肝臓や腎臓が身体を綺麗にする素晴らしい仕事をしてくれます。長期的に見れば、甘い飲み物より多くの果物や野菜、そして全粒穀物の摂取を増やすことの方が、「クレンジング」よりも健康状態を改善してくれます」とVolpeはLive Scienceに語った。

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ここで語られているデトックスというのは、薬物乱用に対する治療のことではないことには注意してほしい。

毒素に関する事実

毒素とは、生物学的プロセスによって生み出される毒である。煙草の葉に含まれるニコチンは毒素である。ヒトの細胞内で生み出される代謝廃棄物などもである。だが一般に「毒素」というとき、人工的な化学物質を指している場合が多い。

食べ物や水を摂取した際や呼吸した際、身体は自然のものであれ人工的なものであれ、毒素を蓄積することがある。環境保護庁によれば、オゾンや二酸化窒素などの大気汚染物質は、吸器炎症から癌まで、様々な健康問題に関連してきた。アメリカ地質調査所によれば、水質汚染物質には、発癌性物質として知られるヒ素や、神経障害に関連する水銀などが含まれる。オーガニックのフルーツや野菜でも、大腸菌やサルモネラなどの毒素から免れることができない。英国王立化学会よればそれらは急性疾患の要因となる。

しかし、ニューヨークにあるコロンビア大学の病理学者で細胞生物学者のMichael Gershon博士によれば、ジュースを飲むことや体内洗浄を行うことでは、毒素を取り除くのが速くなったり効率的なったりすることはないという。我々の身体には本来毒素を取り除く機能があると博士はLive Scienceに語った。

ビルトイン・デトックス・システム

デトックスプロセスを行う主要な臓器は肝臓だ。呼吸したり飲み込んだりしたものはすべて分解され、最も大きな内臓である肝臓を通る血流に乗る。 ドイツ医療品質・効率性研究機構(Institute for Quality and Efficiency in Healthcare)によれば、身体が行う重要なタンパク質や栄養素の調節、合成、蓄積、そして毒素や不要な物質の浄化、変換、除去などは肝臓の状態に依存する。多くのデトックス製品は肝臓を「クレンジング」すると主張しているが、健康な人にとって肝臓は毒素が貯められるところではない。むしろ肝臓は、潜在的に有害な化学物質を水溶性の化学物質に変え、汗などで排泄されるようにしてくれる。

肝臓は身体のデトックスとして「見事な仕事をしてれます」とGershonは述べている。しかしいくつかの例外もある。ウィルス性肝炎やアルコール誘導肝炎などの状態にある場合、毒素が肝臓に蓄積する場合がある。ビタミンAや鉄や銅など、高量となると有毒になりうるものなども、病気の結果として肝臓や他の臓器に蓄積しうる。だが、デトックスダイエットや肝臓クレンジングが肝臓病の治療に効果があるという科学的根拠は存在しない。

肝臓クレンジングの支持者は、いわゆる肝臓クレンザーは肝臓が毒素を取り除く機能を高めると主張するが、特定の食品やハーブサプリメントが肝臓の健康を促進するといういくつかの研究はあるものの、それらの主張を支持する説得力を持つ研究は一切存在していない。

コロンクレンジング

肝臓のためにクレンジングや特殊な食事に加え、いわゆるコロンクレンジングを推奨するデトックスセラピストもいる。だが、メイヨー・クリニックによれば、緩下剤やハーブ薬に加え、浣腸や腸洗浄などを含むこれらのセラピーは医学的に有効ではないという。2011年、ジョージタウン大学の研究者たちが医学文献の包括的なレビューを行い、コロンデトックスには一切の科学的サポートが存在しないことを見出した。それどころか、Gershonによれば、コロンクレンジングには利益より害の方が多いという。

「コロン(結腸)には我々の身体を住処とする多くの微生物がいます。彼らは我々の仲間であり、安全を保ってくれています。抗生物質を用いたときなどのように彼らの邪魔をすると、(伝染性下痢の要因となる)クロストリジウム・ディフィシルなどの悪いバクテリアが侵入し、病気を引き起こすこともあります」とGershonは言う。

メイヨ―クリニックによれば、コロンクレンジングのもっとも一般的な副作用は、吐き気やむかつき、下痢や腹痛などであるという。クレンジング溶液や使用する水の量によっては、患者は電解質の劇的な消失をも経験しうる。腎不全や肝不全、 空気塞栓症、直腸穿孔、血液感染、そして赤痢による死亡などの深刻な症状も報告されている。

脂肪細胞

一般のデトックス法では、ファスティングやジューシングやハーブ薬やローダイエットなどと共に行われる。

しかし、特定の食品やハーブなどが、血液や臓器から毒素を排出するのに効果的であると示す研究はない。これらのデトックス療法の支持者は、ファスティングやジューシングは、彼らいわく毒素を含んでいるという脂肪細胞の燃焼を助けると主張するが、Gershonによれば、脂肪細胞は身体の自然な排毒プロセスとは無関係であり、科学的に正しい主張ではないという。

ファスティングなどの極端なダイエットによる劇的な食事摂取の制限は、身体システムに大きなストレスをかけると、VolpeもGershonもともに述べている。ファスティングを行うものにとって、脱水症状も深刻なリスクになるとVolpeは言う。

「たいていの場合、肝臓や腎臓や腸は、愚かなダイエットも乗り越えられるほど優秀ですが、ジューシングやクレンジングは状態を極端な方向に押しやります。多くの人はそれで命を落とすことはありませんが、利益がないものにリスクを負う意味があるでしょうか?」

http://www.livescience.com/34845-detox-cleansing-facts-fallacies.html

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