【人類学・健康】『アレルギーはネアンデルタール人の遺伝子のせいかも』IFLScience 2016/1/7

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もしあなたが、花粉症や食品アレルギーに苦しんでいるとしたら、それはネアンデルタールやデニソワ人の祖先のせいかもしれない。一部の人々は、我々のゲノムの小さな一片の元である異種間交配によって、害のない花粉や食品への過剰反応と引き換えに、付加的な防御を提供する超過敏な免疫系を与えられているのだ。

その交雑が起こった状況は依然不明であるが、ヨーロッパ人の子孫はゲノムの1%から6%をネアンデルタール人から受け継いでいる。

マックス・プランク進化人類学研究所のMichael Dannemann博士は7月に、Society for Molecular Biology and Evolutionのカンファレンスで、この遺伝は内在的な危険に対して身体的反応を開始するタンパク質であるToll様受容体(TLRs)を制御しているDNAにおいて特に一般的であるという証拠を提示した。

Dannemannはthe American Journal of Human Geneticsに彼の研究を発表している。同じ版で、異なる研究が異なるルートから同じ結論に辿り着いている。

Dannemannと、もう一つの論文の筆頭著者であるパスツール研究所のLluis Quintana-Murci博士は、共にネアンデルタール人のTLRsがより多く発現されており、より強い免疫反応を生成していると結論づけている。

「旧人類―ネアンデルタール人とデニソワ人―との交雑は、ヒトのToll様受容体族に属する3つの免疫遺伝子において、現在のゲノムの多様性に影響を及ぼしている」とDannemannの共著者の人であるJanet Kelsoは述べている。

問題となっているTLR1とTLR6に関連する多様性、すなわち対立遺伝子は、ネアンデルタール人に由来する。TLR10はデニソワ人のそれに類似している。デニソワ人とはシベリアに住んでいた人類の謎の第三のグループであり、人類ともネアンデルタール人とも交雑していた。

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起源となる領域ごとのTLRのネアンデルタール人様DNAの頻度(オレンジと緑)。点の大きさはサンプル数に対する比。Credit: Dannemann et al./American Journal of Human Genetics 2016

感染病は、抗生物質やワクチンが開発される以前は特に、人類にとっての大きな死亡原因となってきたため、免疫系は強い淘汰圧の下にあった。免疫系の脆弱なものは遺伝子を受け継ぐことが困難であるため、稀な種間交配に由来する有益な遺伝子は繁栄した。

「ネアンデルタール人は、現生人類が現れるまで、ヨーロッパや西アジアに20万年ほど住んでいた。彼らはその地域の気候や食べ物や病原体によく適応していたと思われる。これらの旧人類と交雑することで現生人類はこれらの有利な適応を得ることができた」とKelsoは語る。この有利さの証拠としてDannemannとKelsoは、他種由来の対立遺伝子を持つ人は、胃潰瘍の原因となるヘリコバクター・ピロリ菌を保有している可能性が低いことを発見した。

ネアンデルタール人のTLR1やTLR6が完全に有益であったなら、人類の遺伝子において支配的になっていただろう。しかしこれらの遺伝子は免疫と引き換えにアレルギーに対してより強い感受性をもたらしてしまう。そしておそらくそれこそが、これらの遺伝子の複数の形態が残ってきた理由なのだろう。

http://www.iflscience.com/health-and-medicine/allergies-attributed-neanderthal-genetics




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