【健康・環境】『牛乳とパーキンソン病の関連が明らかに』Time 2015/12/9

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新たな研究により、牛乳に含まれる汚染物質と、脳疾患のリスクの興味深い関連が見出された。

乳製品の消費とパーキンソン病のリスク上昇との関連が発見された。研究者たちは、ミルクに含まれる化学物質が原因となっているのではないかと疑っていたが、どのように影響を及ぼすのかという詳細についての証拠はほとんど得られていなかった。

しかし今回、科学者たちは有力な糸口を明らかにした。滋賀医科大学のロバート・アボットと彼の同僚は1980年代にハワイで起こった事件を手掛かりに、その関連性を研究した。

当時、パイナップル農家で使用されていた有機塩素系殺虫剤が、牛に与えられるパイナップルから作られた粥を通してミルクに混入された。その頃偶然にも日系アメリカ人男性8,000人以上を対象とした心臓疾患の研究が始まっていた。

被験者はミルクを飲む量を含めた、摂取するものに関する詳細の情報を報告し、一部の被験者は死後に脳を研究のために提供することに同意した。

チームは449人の脳を研究し、パーキンソン病の影響を受けることが知られている脳領域のニューロン密度を記録した。その結果、1日コップ2杯以上の牛乳を飲む男性は、少量もしくは全く飲まない男性と比べ最も密度が低いことがわかった。また、牛乳を飲むものの脳には、ヘプタクロルエポキシドと呼ばれる有機塩素系殺虫剤が残留していた。

興味深いことに、運動ニューロン領域の細胞が死滅した時期を測ると、細胞がダメージを受ける前にヘプタクロルエポキシドの蓄積が起こっていることがわかり、その化学物質がパーキンソン病に関連する変化の引き金を引くこと強く示唆していた。

アボットは、被験者が飲んでいた牛乳のサンプルを得ていたわけではないため、牛乳への混入が被験者の脳内で見つかった残薬の由来であると言い切ることは出来ないが、説明として筋は通っていると語った。

ヘプタクロルエポキシドは現在、米国で殺虫剤として使用されてはいない。しかし、土壌や水に何年も残留する傾向がある。アボットは、それはエチオピアでヤギのミルクや牛乳の中から発見されており、イタリアでは別の有機塩素化合物が牛乳から検出されていることも指摘している。

このデータは、毎日数杯の牛乳を飲む人が誰でもパーキンソン病のリスクにさらされているということを意味しているわけではない。これが意味するのは、食事やライフスタイルのリスク因子をもっと深く考慮すべきであるということだ。「これは食事がパーキンソン病の発症に重要な役割を果たしている可能性を示す文献の1つに加えられます。しかしそれはまた、栄養価ではなく食品それ自体に重要性があることを教えてくれます。汚染物質などが存在する可能性があるからです」とアボットは語る。

牛乳を飲むことをやめる理由はない(「私自身、毎日一杯の牛乳を飲んでいます」とアボットは言う)。しかし、彼は自身の発見が、環境中の化学物質が、非直接的な常に明白でない形であれ、我々の健康に及ぼす影響に対して、引き続き注意を促すことを期待しているという。

http://time.com/4143358/milk-parkinsons-disease-pesticides/


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