【生物】『同性愛の進化的利点を発見』IFLScience 2015/5/29

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なぜ同性愛行為が保存されてきたのかは、生物学者にとって腹立たしいほど説明が困難な進化的パラドックスであるが、研究者は少なくともある一種において、同性愛によってもたらされる利益を見つけ出したかもしれない。ショウジョウバエにおける新しい研究によると、同性の性的行動が遺伝的であるように見えるだけでなく、この形質に関連する遺伝子構造を持つメスは、進化上の利点となる高い繁殖率を示した。これらの魅力的な知見は、Proceedings of the Royal Society B.に掲載されている。

特定の形質や振る舞いが繁殖の成功率や適応に有害である場合、それは自然選択によって取り除かれるため、集団内で存続することは期待出来ないだろう。結局のところ、生殖ゲームの目的は遺伝子の存続である。では、なぜこれほど多くの種で互いに同性との深い関係を持つ個体がいるのだろう?これは(1500以上の種で観察されている)同性愛行動のみを指しているのではない。もっと広い意味でだ。

科学者たちは長い間この問題に関してなんらかの合意を得るために頭を悩ませてきた。いくつかのアイデアがあるが、理論的研究から得られた2つの有力な仮説は、同性の性的行動(SSB;same-sex sexual behaviors)は、2つの理由で存続可能性を示唆している。超優性と性的拮抗作用である。前者は、この振る舞いのための遺伝子を2つ(ホモ接合体)所有している個体とは対照的に、1つのコピーもしくはヘテロ接合体を有する個体でのみ生殖的利点と調和する場合、SSBは集団で存続できると主張する。後者は片方の性で適応に有害である遺伝子は、それが他の性にとって有益である限り維持されうると示唆している。

ではどのようにして研究者は、どちらが、一見生殖に有害であるようなこの振る舞いを説明するより良い仮説であるかを検証したのだろうか?セントアンドリュース大学を基地とする最新の研究で科学者たちが選択した方法は、遺伝的テストと行動テストの組み合わせたものだ。まず、彼らはSSBを説明することができる遺伝子変異を調べるため、近交系のミバエをスクリーニングした。

彼らは共に、オスのミバエのゲノムを調べ、それらが他のオスとどのような行動をとるか観察した。オスが他のオスに行う、舐める、歌う、上に乗っかるなどの求愛行動の量の定量化を行い、高い度合いでこれらの行為を示した個体の遺伝子の差異を調べた。この情報はその後、一貫して高いSSBのレベルを示したハエと、低いSSBを示したものの遺伝子株を同定するために用いられた。

調査の最終段階では、これらの同定された両方の株から実験交配を行い、その結果生まれた子孫を調べた。より具体的には、彼らはSSBの高いレベルに関連付けられている遺伝的バックグラウンドから生まれることは、メスの子孫の繁殖率に影響を与えるかどうかを調べた。

結果は、超優性仮説に多くのウェイトを課しながらも、どちらか一方のみを排他的に支持するものではなかった。実際、彼らは両方のメカニズムが遺伝子プール内のSSBの維持に貢献している可能性があると考えている。しかし、それは研究の最も興味深い発見ではなかった:SSBの高いレベルに関連付けられている遺伝子構造を持つオスは、繁殖率もしくは多産性のより高いメスの子孫を生み出した。これは、SSBに関連する遺伝子が実際にメスの適応に優位性を与えるために、オスにとっては生殖的に有害であるにもかかわらず、集団内で存続可能であることを示唆している。

http://www.iflscience.com/plants-and-animals/scientists-discover-evolutionary-advantage-homosexual-sex

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